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標準偏差では測れないリスクを知っておく

金融商品のリスクは、統計学の標準偏差を用いて、期待リターンからのブレの大きさで表すのが一般的です。

例えば、私の目標資産配分をもとに、「わたしのインデックス my INDEX」さんの「資産配分ツール」で計算したところ、過去20年実績に基づく平均リターンは7.0%、リスクは15.9%となりました。
※「my INDEX」についてはこちらの記事で紹介しています。


(クリックで拡大、「わたしのインデックス my INDEX」資産配分ツールにて試算)

リスクは平均からのバラつきで表される


ここでの「リスク」とは、「元本が15.9%減る可能性がある」とかいう意味ではありません。(私も昔は勘違いしていました)

リスクの計算では、毎年のリターンのバラつきが「正規分布」に従う前提となっています。
正規分布は、下図のように、平均値を中心にきれいな左右対称となる分布のことです。
リスクの大きい(バラつきの大きい)ポートフォリオほど、正規分布は左右になだらかに広がります。


社会情報サービスさんのHPで公開されているExcelファイルより)

そして、平均値からのデータのバラつきを表す標準偏差(σ:シグマ)の意味するところは、
・平均±1σの範囲におさまる確率 68.3%
・平均±2σ(標準偏差×2)の範囲におさまる確率 95.5%
・平均±3σ(標準偏差×3)の範囲におさまる確率 99.7%
となります。

通常は、この1σのことを、リスクと言っています。

ちなみに、一定期間の移動平均からのブレの程度を見る、テクニカル指標のボリンジャーバンドでも、1σ、2σが使われています)
<参考>株初心者のための優しい用語集 ボリンジャーバンドとは

つまり、「リターン7.0%、リスク15.9%」の意味は、「このポートフォリオのリターンは、平均リターン7.0%から上下15.9%の範囲(▲8.9%〜+22.9%)に約68%の確率でおさまる」ということです。

ただし、以上はあくまで、各資産の過去の収益率の変動と、確率論を前提としたシミュレーションに過ぎず、実際の資産の増減がこの範囲におさまる保障はどこにもありません


リスク値以上の損失が起こる可能性を知っておく


標準偏差で表されるリスク数値は広く用いられているので、一つの目安にはなりますが、実際にはリスク数値以上のリターンの変動は十分に起こり得ます。

「my INDEX」では、あるポートフォリオが、過去の相場暴落時にどの程度の損失を出したかも計算できるようになっています。

試しに、100年に一度の金融危機といわれたリーマンショック後の大暴落時のデータを使って検証してみました。


(クリックで拡大、「わたしのインデックス my INDEX」資産配分ツールにて試算)

一番右の「▲42.8%」が、上記ポートフォリオでかりに運用していた場合のリーマンショック時のマイナスです。
(サイトからは不明確ですがおそらく年率換算リターンです)

将来、再びリーマンショックと同じレベルの暴落が起これば、確率論的にはまず起こらないはずの、標準偏差×3倍(3σ)の損失をあっさりと上回ります

2008年頃は、たしか個別株や個別REITを結構保有していたのですが、軒並み暴落、中には倒産で紙キレになった銘柄もあり、最終的にはやる気を失い大損切りに至りました。

分散投資の強みは、リターンの追求というより、大きなリスクを抑えられることだと考えます。
具体的なアセットアロケーションを考える上では、このようなツールを使って、「万一の事態」を想定しておくのも大事だと思います。
その際、各人の年齢や性格、リスク資産以外の安全資産の大きさ、住宅ローンの有無などによっても、リスクの受け入れ方は変わってくるでしょう。

最近の相場は、つい5年前のリーマンショックなど何処へ?という雰囲気ですが、忘れた頃に大きな出来事が起こるのが世の常です。(リーマンショッククラスはそう簡単には起こらないでしょうが)

「リスク15%のポートフォリオ」といっても、現実にはリスク値を大きく超える4割、5割のマイナスも発生し得ることを知っておけば、いざそのような事態がきても、撤退せずに続けられると思います。

そして、長期投資では、そのような一生のうちに何度もないような暴落時に着実に買い進み続けることが、相場復活時に大きなリターンを生み出すということを忘れないようにしたいものです。

【関連記事】
積立投資なら日経平均でも必ずプラスに?
日経新聞「マネー&インベストメント」にちょこっと紹介されました



       
コメント
はじめまして。

わたしのインデックスにリーマンショック時のシミュレーションができる機能があるとは知りませんでした。
情報ありがとうございます。

確率的にほとんど起こりえないことが、割と頻繁に起こるのが市場ですよね。
自分のブログにも書いていますが、リスク=ブレと考えるのはおかしいと私は思っています。
リスク=損失の可能性 が自然です。

ですから、このエントリは素晴らしいと思います。
AKIさん、コメントありがとうございます。

理論的にはリターンのブレ=リスクなのでしょうが、おっしゃる通り、実際に投資する上では、損失サイドを押さえておくのが大事ですね。
  • shimo
  • 2013/08/27 9:45 PM
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  • 2013/09/05 8:09 AM