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地価公示のポイント数が13年ぶりに増加?

地価公示事業についてこんなニュースがありました。

15年度公示地価の調査地点増やす 13年ぶり、3000地点追加
(日経、有料会員記事)

国土交通省は土地取引の目安となる公示地価の2015年度の調査地点を13年ぶりに増やす方針だ。現行より約3000地点増やし2万6千地点程度にする検討に入った。景気回復に伴い全国で不動産取引が活発になっている。調査地点を増やし地価の形成の透明化につなげる。

(以上引用)

毎年1月1日時点の土地の値段を公表する地価公示は、全国の不動産鑑定士が手掛けていますが、最近は予算が減らされてきました。

公表対象となる地点(ポイント)数も、H16のピーク(約32,000地点)から去年は23,000地点まで減りました。
民主党時代には、事業仕分けのターゲットとなり、抜本的見直しが突きつけられていました。

その後自民党が復活したのを受けて、鑑定業界も政治連盟を強化して鑑定士から献金を集め、予算アップに向け活動していましたが、その努力が実った形になりました。

そのあたりの業界事情は以前書きました。

不動産鑑定士の将来性(地価公示の事業仕分け) 2012.6.23
不動産鑑定士の議員連盟ができるらしい 2013.12.11

国交省の概算要求資料では、平成26年度予算約34.4億に対して、要求額は38.2億(+11%)です。
具体的な予算要求の内容を見てみました。

基本方針の中で、
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『2 事前防災や復旧・復興の迅速化に貢献するほか、インフラ整備・民間事業等の円滑化に不可欠な地籍整備を推進するとともに、土地取引価格の指標や課税評価の基準、重要な経済指標としての役割を担う地価公示の充実を図る。』

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とあります。

要求内容の説明は下記です。
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『取引価格の指標、課税評価の基準、重要な経済指標としての役割を担う重要な制度インフラである地価公示について、その役割を十分に果たすために必要な地点数(26,000地点)への拡充や、ユーザーの利便性向上のための機能改善を行い、更なる充実を図る。
【拡充内容】
・近年の地点数削減により、現に支障が生じている地域における地点数の回復
・土地利用の変化により、特徴的な地価の動きが想定される地域において、的確に地価動向を把握するために必要な地点の追加』

(平成27年度 土地・建設産業局関係 予算概算要求概要より)-----

地価公示の事業内容をなぞっているだけで、増やさなければならない必要性がピンときません。
「現に支障が生じている地域」がどの程度あるのかも疑問です。

ちなみに、予算要求のもとになる「骨太の方針」では、「都市再生」のところで強引にねじこんでいます。
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『地域間の機能分担・連携等を推進する。定期借地権、不動産証券化等の手法を活用するとともに、木造密集市街地の改善整備等のため、公的不動産等を活用した連鎖的な市街地整備を進める。また、地価公示の充実、中古住宅・リフォーム市場の活性化等を図る。』

(経済財政運営と改革の基本方針2014より)
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このレベルで、財務省の厳しい査定に耐えられるかは分かりませんが、結果的には過去の事業仕分けを完全無視した予算要求となっています。
あの時の仕分け人の方々はこのニュースをどう見るでしょうか。

一不動産鑑定士としては、地価公示、地価調査は今のままで十分だと思います。
路線価や固定資産税評価額ともリンクしていますから、むやみには減らせませんが、地価公示と地価調査の地点がダブっていたり、すでに現時点でムダな部分も多いです。

取引の指標となるべき公示価格ですが、実際の売買ではほとんど使われていませんし、国交省も鑑定業界もそれは分かっています。

前にも書いたとおり、予算が潤沢にあるならまだしも、限られた国のお金を優先順位を付けて配分しなければならない中で、人口が顕著に減少傾向にあり、開発ニーズも少ない地域で地価公示ポイントを増やす必要性はないと思います。

「取引がないのにポイント増やしてどうするの」という指摘は的を得ています。
むしろ、都市部で開発がすすんでいる一部のエリアなどは、増やした方がいい場所もあるでしょう。
地方再生の文脈で大事な税金を使うなら、もっと違うところに使った方が有益だと思います。

来年度の予算要求は初めて100兆円の大台を突破するとのニュースもありました。
地価公示のようなマイナーな事業でも予算を増やすぐらいなので、成長戦略の名のもとに、一部の人だけが潤うような事業に多額のお金がつぎ込まれることになるのかもしれません。

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