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プロでも不動産市場の予測は難しい

最近は、不動産市場が活況のため、J-REITによる物件取得が増えている、というのはよくニュースになっています。
一方で、売りやすい環境でもあるため、ポートフォリオ入替等に伴う物件の売却も増えています。

各種のマクロデータ(地価公示、マンション価格など)から、「不動産は大分上がっている」というのが世間の共通認識なので、さぞかしREITが売る物件も儲かっているだろうと思いきや、個別物件レベルで見ると、かなり寂しい取引も見られます。

例えば、平和不動産リートが、2015年3月に売却した「KCAビル」のデータです。

<KCAビル>
所在:千代田区鍛冶町
取得価格 17.3億円(H19.5)
・帳簿価額 17.3億円(H26.11末現在)
売却価格 12億円

売却による損失は5.3億円(▲30.6%)。
地方物件ならまだしも、都心のオフィスビルで、まだ3割以上の損切りとは意外な感じがします。

都内でも他にもあります。
ユナイテッド・アーバン投資法人が2015年4月に売却した「パシフィックマークス青葉台」。

<パシフィックマークス青葉台>
所在:目黒区青葉台
取得価格 30.5億円(H19.11)
・帳簿価格 16.2億円(H27.1末現在)
売却価格 15億円

本件は、旧「日本コマーシャル投資法人」時代に買った物件で、平成22年12月の合併時に、16.2億円でユナイテッドアーバンが引き継いでいるので、会計上の売却損は▲1.2億円に過ぎません。
ただ、30億以上で購入した物件を、半額以下の15億円で売ったことには変わりありません。

2件とも、これだけ不動産が上がっているというのに、ずいぶんと下手な取引に見えます。

実は、この2物件は、ともに2007年に買われています。
サブプライムローン問題前後、リーマンショック直前で、収益物件の値段がピークの時でした。
当時は、価格がまだまだ上がる(利回りが下がる)、もしくは賃料が上がる、と考えていたのでしょうが、その後は全く違う結果となりました。

詳しく収支を見ていませんが、おそらくは2物件とも、リーマン後の賃料の落ち込みが想定以上に大きく、なかなか2007年当時までは賃料が戻りきらないのが価格下落の主要因?と推測します。
なので、かなり低い利回りで売れても、損切りにならざるを得ません。

これ以外にも、REITの売却物件でまだまだ損切り物件は多いです。

JAPAN-REIT.COMさんで調べたところ、2015年に入ってから各REITが公表した売却物件20件(※)のうち、簿価(減価償却費累計額等を控除した後の帳簿価格)との比較で売却損を計上している物件は4割(8件)、買値との比較でマイナスなものは6割(12件)にのぼりました。

この中には、リーマンショック直前に購入した物件だけでなく、もっと価格が安かった時代のものも含まれます。
※ 所有物件の一部のみを売却した物件は除く。
※ 複数物件の売却価格しか公表されていないものは、まとめて1物件とカウント。


不動産投資のプロであるREITの運用会社でもこうなのだから、マーケットの先行きを予想するのがどれだけ難しいのか、改めてよく分かります。

逆に、未だに戻り売りできない物件もたくさん残っていると考えると、2006年〜2007年頃の物件取得が、どれだけ高い買い物であったかとも言えるでしょう。
これはリーマンショックから何年も経った今だから分かることなのですが。

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