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横浜サカエ塾のセミナー「長期投資のツッコミどころ」に参加

オフィスバトンのセミナーに半年ぶりに参加しました。

横浜サカエ塾・皐月 「長期投資のツッコミどころ」

今回は、長期投資の伝道者ともいえる、セゾン投信の代表取締役中野晴啓さんに対して、後田亨さんがバシバシ疑問をぶつけていく、という対話スタイルで、面白いトークバトルが展開しました。

後田さんが提起した疑問は、素朴なものからちょっとヒネくれたものまでたくさんありました。
いくつか印象に残った項目を書きます(お二人の話を聞いた上での私の解釈も含みます)。今までにいろいろな場で議論されている大事な論点だと思います。



・元本の変動する長期投資に「複利効果」は当てはまるのか?
→ 
投資信託などリスク資産に投資する場合、その価格は時間とともに上下にジグザグ変動するので、長期投資のメリットとしてよく引き合いに出されるきれいな複利にはならない。

だからこそ、「長期的に『価値』(≠価格ではない)が増えるもの」「本源的価値があるもの」に投資を続けることが大切。

※この点は、自分も以前疑問に思って書いたことがあります。「完全な複利はなくても、長期的には複利に近い効果があるだろう」と考えます。
(過去記事)
元本の変動する投資信託やETFに「複利効果」は当てはまるのか


・長期的に価格が上がるなら積立投資ではなく一括投資の方が合理的ではないのか?
→ 
「価格」は常に正しい「価値」を表しているわけではないので、相場は大きく下がることもある。そういう場合にも継続するためには、気持ちの面も含めて積立が有効。

また、値動きによるが、下がっているときに多く買える積立は、長期的に強力なリターンを生む。(「セゾン資産形成の達人ファンド」の場合、設定時一括投資の場合のリターンは約+70%だが、積立の場合のリターンは現時点で2倍以上。)

(参考)運用状況・レポート|セゾン資産形成の達人ファンド
2007年5月以降「定期積立プランで購入した場合の平均取得単価と損益」は4月末現在で「+112.17%」となっています。相場低迷時に買い続けたことの効果がよく表れています。


「長期」ってどのくらい? 積立で含み損が何年も続いたらどのくらいガマンすればいいの?

10年がひとつの目安。日々の値動きはランダムでも、おおよそ10年単位では、「価格」は「価値」に収れんしていくと考える。


・「長期投資の社会的意義」と言うが、投資信託や株を買っても、世の中の大半を占める中小企業にはお金が回らないのでは?
→ 
投資も融資と同じく「金融」のひとつ。投資家のお金を預かって、お金を必要なところに融通するのが本来の役目。
上場企業は、役割を果たすために大きな資金を必要とするからこそ上場しているのだから、そのような「上場企業」への投資は、まさに「金融」たる投資の本質。

もちろん、小さくても資金を必要としている会社、育てなければいけない会社はたくさんある。日本では、まだまだ中小やベンチャーに対するリスクマネーの出し手がほとんどいないので、PE(プライベートエクイティ)ファンドがもっと広がるべき。(PEは、中野さんの将来の目標の一つでもあるそうです)

・金融機関の宣伝文句「長期投資でリスクが低減する」は正しいのか?
→ 
投資期間が長くなるほど、実際のリターンは期待リターンに収れんする。1年単位でのリターンは、毎年の相場によって大きく変動するが、50年間でみれば確率的にあるべき収益率に落ち着く。これを、リターンのブレが縮小して平均に近づく、という意味で「リスクが下がる」と言っているだけ。

しかし、リスク=損する可能性、と考えれば、長期になるほど、リーマンショック時のように資産が大きく目減りする可能性も増える。
また、投資期間が長くなって資産額が大きくなるほど、相場が少し下がっただけで、資産額が大きく減ることになるので、むしろ「リスクは増える」。

この論点では、参加していたオフィス・リベルタスの大江英樹さんが飛び入りコメントされていました。

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ほかにもいろいろな議論がありました。
後田さんの意図的に?意地悪なツッコミにも、誠実に答える中野さんに、セゾン投信を保有している参加者も好感度がさらに一層アップした!と盛り上がっていました。

投信の積立や個人型DCもやっている自分は、長期投資家に含まれると考えますが、長期投資が万能とは思っていません。

リスクを抑えつつ、理論的には預金よりも高いリターンが見込めるはずという前提に立って、長期(分散)投資をしています。
また、自分のお金を企業活動に長期的に投じ続けることによって、仕事とは別の面で、世の中を良くするのに多少となりも貢献し、関わりたいとも考えています。

ただし、誰もがムリに投資をする必要はないし、仕事でたくさん稼いで預貯金で置いておくのも一つ、また、そもそも収入や資産が十分あれば、「増やす」よりも「減らさない」こと、あるいは節税や相続対策がより重要かもしれません。

結局は、個人の年齢、仕事、家族環境、収入、他の資産(不動産など)、さらには性格や価値観も踏まえて、どの程度リスク資産を持つのか、さらにリスク資産の配分はどうするのか、一人一人が決めていくしかありません。
何が最適かは、他人は教えてくれないので、とても難しいことですが。

今回の企画の目的は、「物事を多面的に考えてみること」だと後田さんは言っていました。
年齢を重ねるほど、自分が当たり前と受け入れていることを、「ちょっと待てよ」と違う角度から見直してみる態度は大切になってくると思います。
そんな「考えるヒント」の詰まったよいセミナーでした。

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