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平成27年都道府県地価調査結果に思うこと

7月1日時点の全国の地価を調べた都道府県地価調査の結果が先週公表されました。

平成27年都道府県地価調査(国土交通省)

地価調査は、国土利用計画法に基づき、全国2万ポイント以上の評価地点の土地の価格(基準地価)を毎年公表するものです。
実際の評価は、われわれ不動産鑑定士がやっています。(私個人は地価調査の仕事はやっていません)
1/1時点のものは「地価公示」、7/1時点が「地価調査」です。

国交省のリリースによれば、今年の地価調査のポイントは次のとおりです。

三大都市圏(東京・大阪・名古屋圏)では上昇継続。特に商業地の上げ幅拡大

地方大都市が大きく上昇した一方、その他の地方は下落継続で地方も二極化

全国平均では下落傾向が継続しているが、下落幅自体は縮小

エリア別&用途別の対前年変動率です。(「圏域別・用途別対前年平均変動率」を転載。クリックで拡大)


●東京と地方の二極化、さらに地方も二極化

東京をはじめとする大都市と、いわゆる地方の格差は、景気やマーケットの影響を受けやすい「商業地」の対前年変動率を見ると分かりやすいです。

<商業地の対前年変動率、カッコ内はH26年>
東京圏:+2.3%(+1.9%)
地方圏中枢都市:+3.8%(+2.6%)
地方圏(その他):▲1.9%(▲2.5%)

東京圏の商業地は、平成25年にプラス転換して3年連続のプラスです。
むしろ、地方圏中枢都市(札幌、仙台、広島、福岡)の上昇率が東京圏より高いのが興味深いです。

これらの都市では、大規模な再開発や商業施設の開業が進んでいることが主な要因とされていますが、別の見方として、東京の物件価格が上がり過ぎて、買いにくくなった投資家のお金が相対的に高い利回りを求めて流入している面もあるでしょう。

一方で、いわゆる地方都市では、人口減少と中心市街地の衰退傾向に歯止めがかからず、下がり続けています。

※「地方圏」全体の平均は、住宅地は平成5年から、商業地は平成4年から、20年以上対前年変動率が一度もプラスになったことがありません。
私もある地方の県庁所在地出身ですが、中心市街地はシャッター&ゴースト商店街で、「失われた20年」がずっと続いています。

個別地点で見ると、北陸新幹線で盛り上がっている金沢(「金沢5-21」+25.4%など)や、名駅エリアの再開発&リニア期待の名古屋駅周辺(「中村5-9」+45.7%)の地価上昇が目立ちます。
ただし、1年で3割4割アップというのはかなり特殊な事象で、ピンポイントに限定されます。

また、最近ずっと同様の傾向ですが、震災復興で住宅地が不足している、福島県いわき市が、住宅地の上昇率トップ10中8地点を占めています。


●所感

さて、今後についてですが、東京はじめ大都市では、商業地中心に上げ幅が去年よりも拡大していて、この結果だけ見ると、都市部の不動産価格上昇はまだまだ続くようにも見えます。

ただし、地価調査などの公的地価は、鑑定士が評価作業をしている時期と、公表のタイミングにタイムラグがあるため、市場の実勢よりどうしても遅行しがちな面があります。

また、仕事で投資家とお付き合いしている感覚としては、全体としてはまだ強いマーケットが続いていますが、最近の国内外の株価下落などの影響が、不動産市場にも若干出始めているようです。

去年ぐらいまでは、売り側が「まだまだ上がる」と出し渋っていたのが、今年に入って、「今のうちに売っておいた方がいいかも」と物件が市場に少しずつ供給され出した感があります。
また、機関投資家同士の大きいディールが、買主のファンドの懐事情で不調に終わったという噂を最近聞いたりしました。

現物に対する先行指標と言われるREIT指数も今年に入ってからは調整傾向です。
身近なところでは、都内中心に中古マンションの値段が手が出にくい価格帯に達していますし、都市部の収益物件の利回りも下限値に張り付いています。

未来を予想するのは不可能ですし、仕事がら先行きに対して保守的なのですが、イケイケのマーケットもそろそろ頭打ち?という雰囲気が少々出始めているのは確かだと思います。

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