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ソーシャル・ファイナンス研究会・第2回(日本公共政策研究機構)(その1)

日本公共政策研究機構(JIPPS)主催の、「ソーシャル・ファイナンス研究会」の2回目に行ってきました。

行政、大学、NPOなどの方中心に約80人が参加していて、関心の高さを感じました。国内外のソーシャル・ファイナンス手法の現状と課題が整理できました。



前半は、主任研究員の小林立明さんより、主に海外のソーシャルファイナンス事情についての講義でした。


◎海外の多様なソーシャルファイナンス手法

NPOや社会的企業にお金を供給するファイナンスには、社会的価値のみを追求する寄付から、社会的インパクトとともに一定の経済的リターンを求めるインパクト投資までさまざまです。

欧州ベンチャーフィランソロピー協会(EVPA)の区分が全体像を示しています。

この図で左ほど社会的インパクトより、右ほど経済的リターンよりです。資金調達主体も、非営利100%のNPOから、一定の利益も追求する社会的企業まで幅広いです。


(クリックで拡大)

ファイナンスの形態も、助成に始まり、ベンチャーフィランソロピー、融資、NPO債、準株式、プライベートエクイティなど多様で厳密な線引きはできません。寄付から投資に至るグラデーションのように考えるとよいかもしれません。経済的リターンの色彩が強いものにはSRIファンドなども入ってきます。

従ってソーシャルファイナンスの定義も広範ですが、以前ARUNの「ソーシャルインベストメントスクール」で聞いた、「明確に社会的インパクトを出す意図」があれば、広くソーシャルファイナンスと言っていいと思います。

(過去記事)NPO法人ARUN Seedの「ソーシャルインベストメントスクール」に行ってきました 


◎クラウドファンディングの成長

その中でも、最近特に伸びているのがクラウドファンディングです。
イギリスでは、中小ビジネス向けのP2Pレンディングやエクイティ型のクラウドファンディングの成長が著しく、今後は社会的企業のスタートアップ時の資金調達として大きな位置づけになっていく可能性があるそうです。

自分も、海外向けのソーシャルレンディング(クラウドクレジット社)に少々投資しています。未上場企業への株式型クラウドファンディングも本格的に普及し始める気配もあるので、日本でもこれから来そうな分野です。

(過去記事)クラウドクレジットの商品セミナー(北欧・アフリカ編)


◎成長ステージの非営利組織のファイナンス課題

NPOは、非営利組織であり利益分配ができない(=エクイティでの資金調達ができない)ため、規模拡大が難しいというのが従来の考え方でした。

しかし、欧米では、非営利組織でも、出資者へ一定の配当がOKな、イギリスのコミュニティ利益会社(CIC)、という仕組みや、成長資本、準株式、NPO債、共同ファンディングなど、デットだけでなくさまざまなエクイティファイナンスの方法が考案されています。

この中では、収入の一部を出資者に還元する「準株式」が面白いと思いました。
NPOからみると、利益ではなく「収入」の一部を分配するので非営利原則に反せず、かつ融資と違って収入が上がらなかった場合のリスクを負わなくて済みます。一方投資家からみると、議決権はなく、元本割れのリスクもありますが、融資や債券よりも高い期待リターンで非営利組織に柔軟に投資できます。日本であればいわゆるメザニン(劣後債や優先株式)に当たるような位置づけになるかと思います。


◎まだ遅れている日本のソーシャルファイナンス市場

日本では、労金や一部の信金、政策金融公庫などで、NPOやソーシャルビジネス向けのローンが用意されていて、かつてより融資の門戸は広がりました。最近信用保証協会でNPOの保証が受けられるようになったのも大きいです。

初期ステージの資金調達手段が充実してきた一方、欧米と比べると、スケールアップのためのファイナンス手段はかなり手薄です。海外のような社会的投資ファンド、ソーシャルバンク(ex.トリオドス銀行)や債券発行市場、エクイティ投資可能な法人格の整備・・・など、制度面も含めて課題は山積です。
コミュニティ利益会社のような制度が日本でもできて、例えば投資型クラウドファンディングを通じて社会的企業に投資できたらいいだろうなと感じました。

後半は、この日本国内のソーシャルファイナンス事情について、草の根金融研究所の多賀俊二さんより説明がありました。
後半記事はこちら


【関連記事】
【書評】「ソーシャルファイナンスの教科書」(河口真理子著)
「投資と寄付フォーラム」(Invest in Women 〜未来を創るお金の使い方〜)
ソーシャルインパクトボンド(SIB)のセミナーに参加しました(その1)
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