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ソーシャル・ファイナンス研究会・第2回(日本公共政策研究機構)(その2)

日本公共政策研究機構(JIPPS)主催の、第2回ソーシャル・ファイナンス研究会、後半のレポです。

(前半記事)ソーシャル・ファイナンス研究会・第2回(日本公共政策研究機構)(その1)

後半は、日本国内のソーシャルファイナンス事情について、草の根金融研究所代表・中小企業診断士で、NPOバンクの草創期からこの分野に携わって来られた、多賀俊二さんの解説でした。


◎日本のソーシャルファイナンス

日本国内のNPOやソーシャルビジネス向けのファイナンス手法としては、金融機関のNPO向け融資、NPOバンク、市民ファンド、私募債、疑似私募債、投資型クラウドファンディングなどがあります。

この中では、やはり融資がまだまだメジャーです。労金や政策金融公庫、地銀や信金などでNPO/ソーシャルビジネス向け融資メニューがあります。2015年10月に、NPOが信用保証協会の保証を利用できるようになったのも前向きな変化です。

例えば、西武信金、日本財団、ETICが組んだサービスも紹介されました。
NPOや社会起業家に最大5,000万円を融資 西武ソーシャルビジネス成長応援融資「CHANGE(チェンジ)」


◎少人数私募債と疑似私募債(市民債券)

融資の門戸が広がったとはいえ、運営実績や担保提供、個人保証など、小規模なソーシャルビジネスが金融機関から借りるのにはハードルもあります。その場合には私募債による資金調達もあります。

通常の法人(株式会社、合同会社など)であれば、50人未満を対象とする少人数私募債を発行することができます。
一方、NPO法人の場合は、これに準じた疑似私募債(市民債券)という仕組みがあり、活用している団体もあります。ただ、疑似私募債は、出資法などの法的な位置づけが、少人数私募債と異なりグレーであるため、広く一般から資金を集めるのは難しいようです。
(参考)資金調達 | NPO向け融資利用ガイドブック


◎出資型市民ファンドは金商法改正で厳しく

以前は、適格機関投資家特例等業務として簡単な届出のみで小規模なファンド組成も可能でした。しかし、制度を悪用した詐欺などへの対策のため、平成28年3月施行の金商法改正で、特例業務での一般個人投資家の募集はできなくなってしまいました。
(参考)適格機関投資家等特例業者に対する対応を強化!: 金融庁

これにより、匿名組合スキームなどを使って広くお金を集めるには、第二種金融商品取引業者(資本金1,000万円以上、コンプラや内部監査の専従職員必要など要件が厳しい)の登録を受ける必要があり、ハードルが大きく上がりました。もちろん、外部の運用会社にファンド組成を委託する方法もありますが、設立・運営コストの問題や、応援してくれる出資者と直接つながれないのがデメリットです。

二種の登録をした上で、一般から出資を受けているファンド業者には、ミュージックセキュリティーズを筆頭に、自然エネルギー系の市民ファンド会社などのほか、最近はソーシャルレンディングの事業者も増えてきました。今後は、エクイティ型のソーシャルファイナンスの手段として、投資型(貸付型、株式型)のクラウドファンディングの拡大が注目されます。


◎日本のソーシャルファイナンスの課題

資金調達するソーシャルビジネスサイドは、手間やコストをかけずに、応援してくれる人から直接資金を集め、モノだけではなく金銭的リターンも返したいというニーズが強いですが、現行の金商法、出資法、会社法、貸金業法・・・という規制のもとでは簡単ではありません。
例えば、NPOバンクは、出資者の出資を原資にNPOに融資しますが、出資者に対しては出資金を超えるリターンを返すことができません。

金融当局の掲げる「投資家保護」を担保しつつ、直接金融型のソーシャルファイナンスを拡大するには、法的な課題が非常に多いと再認識しました。
また、寄付や助成、補助金以外の資金調達も含めて、NPOをトータルに支援する窓口や中間支援組織も必要だと思いました。


◎個人投資家とソーシャル・ファイナンス

こういった制度上の制約もあって、個人でできる投資は、投資型クラウドファンディングや市民出資ファンド、NPOバンクへの出資などまだ限られています。
NPOへの寄付はいくつかやっていますが、投資という意味ではミュージックセキュリティーズやソーシャルレンディング少々だけで、もっとお金を出す方法が広がるといいと思っています。

昔は全く関心のなかった自分も実践しているぐらいなので、社会性のある領域にお金を出したい個人は実は少なくないと思っています。投資型(株式型)のクラウドファンディングや、社会性のあるソーシャルレンディングの拡大に期待したいです。



(懇親会会場より。)

ソーシャルファイナンスは、とても幅広い人が関われる可能性がある分野です。
終了後の懇親会では、NPOや行政、研究者の方など、普段接することの少ない方たちとも交流できました。投資・金融サイドの人達がもっと集まるようになってくれるといいと思います。



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