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「日本サステナブル投資白書2015」発刊記念シンポジウム(その2)

7/27開催の、社会的責任投資フォーラム(JSIF)のシンポジウムの後半です。
ESG投資を積極的に進めている運用会社各社の取組内容と、河口真理子さんも参加してのディスカッションの模様です。

前半記事はこちら




パネルディスカッション「COP21、SDGs、BrexitとESG投資」


<パネリスト>
・近江 静子氏(アムンディ・ジャパン)
・金井 司 氏(三井住友信託銀行)
・藤井 智朗氏(ニッセイアセットマネジメント/JSIF理事)
・八木 博一氏(セコム年金基金)
・山下 恵史氏(りそな銀行)
<モデレーター>
・河口 真理子氏(大和総研/JSIF共同代表理事)

機関投資家サイドのセコム企業年金基金の八木さん、進行の河口さんのからの問いかけに、運用会社が答える形でした。ESGの本質的な論点がたくさん飛び出しました。

ESG評価項目のウェイト付けはどのように工夫しているか?

− セクター毎に評点のウェイト付が異なる。例えば自動車ならE(環境)、銀行ならG(ガバナンス)などに重みづけをする。(アムンディ)

− 経営者とのエンゲージメントを通じてウェイト付が変わっていくこともある。(SMTB)

ESG投資でのパッシブとアクティブの区分けは?

− アクティブは「αの獲得」、パッシブは「βの向上」。パッシブ運用でのESGは模索段階だが、リスクマネジメントの観点が強い。例えば、気候変動問題などは投資機会というよりリスク管理の側面なので、パッシブ運用でカバーする領域。今後、投資家の考えも踏まえて、時価加重ではないESG指数が出てくるのではないか。(りそな)

ESG特化のアナリストではなく、セクターアナリストがESGも分析するとなると、個人の優劣が出てしまうのでは?

− 社内でESG項目の評価軸を明確に定めることで、経験値の違いを均等化し、再現性を高めている。アナリストがFMにESG調査結果を説明するESGミーティングも設けている。(ニッセイAM)

→ 運用会社によって、ESGに特化したアナリストチームがやる場合と、セクターアナリストがESGも含めて担当する場合の2パターンがあります。以前参加した三井住友信託銀行のESGセミナーでは、ニッセイアセットと同じく、セクターアナリストがESGも一気通貫で調査する体制を取っていると聞きました。逆に、アムンディなどはESG専任の調査チームがいます。

ESG投資を進める上での課題は?

− 企業側の情報開示の問題がある。G(ガバナンス)は評価しやすい一方、E(環境)とS(社会)は詳しい情報が少ないので、運用会社から能動的に働きかける必要がある。また、アニュアルレポートとCSRレポートをまとめて統合報告書にする流れがあるが、むしろ従来より非財務情報の開示がおろそかになったりする。(SMTB)

− 開示の仕方もバラつきが大きい。環境に関していい取り組みをしているのに、技術的な情報の開示ばかりで投資家に正しく伝わらないことがある。投資家目線での開示が大事。(河口)

− エンゲージメント先の窓口の問題。IRとCSRの連携が悪く、やりとりが非効率。特に、すぐに株価に反映されない項目(例えば「人権」)などは、企業側にメリットが薄いため反応が悪いこともある。機関投資家複数による共同エンゲージメントができるとよい。(アムンディ) 
企業側も財務(IR)と非財務(CSR)がインテグレートしてほしい。(河口)

− ESG項目相互間のトレードオフの問題。例えば、環境面ではNGでも、途上国の貧困解決に資する事業(例えば火力発電所の輸出)をどう評価するか。(りそな)
 
− 特に環境はこのトレードオフが起こりやすい。運用会社としての哲学と価値基準を持つ必要がある。(河口)

− ESGはデータによる定量評価だけでなく、アナリストによる定性評価も重要。(ニッセイAM)


ESGの考え方はボトムアップ型のアクティブファンドにもともとある?


ESGは、かつてのSRI(倫理的な立場での狭義の社会的責任投資)のような「特殊な投資」ではなく、運用プロセスと一体化した「当たり前」のものになってきていることが分かりました。
実際に、アクティブ運用の対象となる全銘柄に対してESGレーティングを行っている会社も多いです。

ESG評価のうち定性的な評価は、従来のアクティブファンドのボトムアップで行ってきたことを、環境、社会、ガバナンスの視点でより深堀りしたイメージで、従来の運用と断絶したものではないと感じました。

自分も積立しているコモンズ30ファンドや、朝日ライフSRI社会貢献ファンド、あるいはセゾン資産形成の達人ファンドが組み入れているスパークスやコムジェストなどののアクティブファンドは、(朝日ライフを除いて)明確に「ESG」を謳っているわけではありませんが、銘柄選定プロセスでESG的な評価を多分に組み込んでいます。コモンズ投信などはエンゲージメントや議決権行使も重視していて、もともとESGファンド的な要素を持っています。

先日のGPIFの受託者責任についての記事で触れたとおり、ESGには、一方で投資家の社会的責任という側面もありますが、より広く前向きにESGを捉えるのが最近の流れです。
それは、投資家や運用会社が、企業価値の持続的向上につながる非財務情報をきちんと評価して企業を選び、エンゲージメントを通じて企業に積極的に変化を促すことによって、投資家も長期的なリターンを得る、という前向きなサイクルです。

NPO法人社会的責任投資フォーラムも、近々「日本サステナブル投資フォーラム」に名称変更するそうです。

詳細はぜひJSIF編の「日本サステナブル投資白書2015」をご覧ください。

【関連記事】
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