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「投資信託をもうちょっと身近に感じてみよう」勉強会・第2回(スパークス・アセット・マネジメント 清水裕さん)

「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」のスピンオフ勉強会「投資信託をもうちょっと身近に感じてみよう」の第2回に参加しました。

ゲストは、スパークス・アセット・マネジメントのファンドマネージャー清水裕さんでした。



スパークス・グループは、阿部修平さんが1989年に創業した独立系運用会社です。2001年にJASDAQ上場。運用資産残高は9,229億円(7月末)です。

香港と韓国にも現地法人があります。以前、セゾン投信のセミナーで、香港のスパークス・アジアの鈴木社長の話を聞いたことがあります。


●スパークスの理念と哲学

【清水 裕さん・略歴】
スパークス・アセット・マネジメント株式会社 運用調査本部 ファンドマネージャー兼ESG担当
1998年慶応義塾大学法学部卒業後、大手証券会社、大手金融機関系資産運用会社を経て、2005年6月スパークス・アセット・マネジメント入社。現在はスパークス・ジャパン・エクイティ・ファンド(愛称:ビッグウェイブ21)を運用。

・スパークスの企業ビジョンは「世界で最も信頼・尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」。

・「マクロはミクロの集積である」との運用哲学のもと、徹底したボトムアップリサーチを重視している。

・企業の実態価値と株価のギャップ(バリュー・ギャップ)と、株価上昇のきっかけ(カタリスト)に注目し、企業を選びポートフォリオを構築する。「実態価値」とはその会社の本質的な価値のこと。大きく3つの視点(3つの輪:企業収益の質、市場成長性、経営戦略)から価値を見極める。


(「ビッグウェイブ21」交付目論見書より)

・社内の運用者全員が、スパークスの一貫した投資哲学と運用プロセスを理解していることが大事。言語を共有しているからこそ、多様なファンド、運用戦略を担当するチーム相互間の議論が成り立つ。

・継続的に高いパフォーマンスを上げているファンド・運用会社を定量的に評価する「リッパー・ファンド・アワード」で、3年連続で株式部門の最優秀運用会社を受賞。3年連続はGDP上位5か国では史上初。


●rennyさんとのトーク

後半は、ブロガーのrennyさんと対談形式で掘り下げるセッションでした。FMとしての日々の業務についてや、パッシブ運用に対する見解、ESG投資も話題にのぼりました。



(Q)
前職の大手運用会社とスパークスはどこが一番違ったか?
(A)
基本となる「哲学」があるかどうかだと思う。物事をとことん突き詰めることが評価されるかどうか。

(Q)
前職の考え方を捨てた、とは具体的には?
(A)
一つ挙げると「謙虚」になることの大切さ。企業訪問で、知らないことは知らないと言えれば、逆に大切なことが聞き出せたりする。特に、トップの想いを理解するには、知った風な態度ではなく謙虚に臨むことが大事だと思う。

(Q)
企業を選ぶときの「企業収益の質」について。質のよい収益とは?
(A)
収益が持続的、安定的かどうか。右から左にモノを流して上がるような利益ではなく、人々に必要とされるものを生み出しているか。持続性の前提となる企業文化も含む。(セクターには特にこだわらず、個々の企業をみる。)

(Q)
業績予測の時間的スパンは?
(A)
一般的には3年、というが、個人的にはもっと長く安定的な成長を予測できるのが理想。3年、5年と年数を切るのではなく、(何年後かは分からなくても)現在100億の売上が500億円になると確信できるようなビジネスを見つける、という発想。

(Q)
ポートフォリオ構築に至る企業の絞り込みの方法は?
(A)
四半期ごとに調査計画を立てる。まず上場企業のうち日々の活動やアイディアをもとに約100社をリストアップし、ネットはじめ、あらゆる情報をもとに20〜30社の候補先を選び、訪問する。

(Q)
四季報は活用しているか?
(A)
3,500社全部目を通す。網羅性に優れている情報だし、四季報を見ていると、別の場所で見聞きした情報とつながる(新しいアイディアにつながることもある)。

→ 四季報を毎号3冊買って情報収集とアイディア出しに使い倒しているという、第1回勉強会のゲスト、三井住友アセットマネジメントの木村忠央さんの言っていたことと重なる部分がありました。

(Q)
日本の企業にもまだまだ可能性はあるか?
(A)
十分ある。最近注目しているのは「教育」と「マネジメント」の変化。
国が成長するかは、一人ひとりの稼ぐ力が成長するかが一番大きく、そのベースは教育。なので教育は関心を持っている。マネジメントの面では、団塊世代の引退と世代交代によって会社が変わる可能性がある。

(Q)
アクティブ運用とインデックス運用について。
(A)
インデックス運用では、頑張らない会社、負けていく会社にも投資してしまうことになる。なので、良い会社をしっかり選別して投資することは不可欠。
アクティブファンドはコスト分だけ負けるからインデックスでいい、という意見もあるが、アクティブ運用でも真面目に頑張っている運用会社やファンドマネージャーもいるのでぜひ見てほしい。


(受付にあったアワードの数々。)

→ 関連して、ポートフォリオの独自性を見る「アクティブシェア」という指標が紹介されました。
下記PIMCOサイトによると、アクティブ・シェアとは、「運用者が基準とするベンチマークからのポートフォリオの時価ウェイトの乖離」として定義され、0%〜100%の間の数値をとります。0%はインデックスと同一、100%はインデックスと全く異なるポートフォリオです。

60%未満は「隠れアクティブファンド」とされますが、スパークスのファンドは80%〜90%以上をキープしています。アクティブシェアが高ければ一概にいいとは言えませんが、アクティブらしさを判断する材料にはなります。

PIMCO | Viewpoints - 株式運用者のモニタリング方法を多様化する

(Q)
ESG担当も兼任されているが、スパークスのESGに対する考え方は?
(A)
「信頼される運用会社」になるには、ESGは当然考慮すべきこと。「ESGは儲からないから投資家のためにならない、したがってフィデューシャリー・デューティーに反する」という主張は違うと思う。金融庁もスチュワードシップ責任を果たすことはフィデューシャリーデューティーに反しないと言っているし、ESGが(長期的に)パフォーマンスを高めるというデータもある。個人的にも、ESG考慮は運用にプラスとなっている感覚がある。

ESGの中心になるのはG(ガバナンス)。Gを核にして、そのまわりに、S(ソーシャル)、E(環境)があるイメージ。
→ 2014年には経営者との対話を重視する「スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド」を運用開始しました。


●所感

セゾン投信の中野社長が、よく「大手系列に属さず、真に投資家のために確固たる運用哲学を貫き続ける運用会社が日本にはほとんどない」と言います。スパークスはまさにそういった稀有な運用会社だと思います。

清水さん自身が、前職の大手運用会社とスパークスの運用は「草野球とプロ野球」ほど違うと言っていた言葉にもそれが現れています。



懇親会の席では、清水さんから、投資家が社会に果たすべき役割、社会性と経済性をどう両立するか、投資教育についての想いなども聞けました。清水さんは、私も今年入会したJSIF(社会的責任投資フォーラム)にも関わっています。

清水さんの考え方が分かる、in-Reportさんのインタービュー記事です。
日本企業の良さを伝える力とは
対話を通じて社会に貢献できる投資家に

今回オフィスに行けたのは貴重でした。スパークスはアセットマネジメント業界では数少ない上場企業です。投信を保有するだけでなく、株を持つという関わり方もあるかと思いました。

主催のrennyさん、竹川美奈子さん、島田知保さん、ありがとうございました。
次回の「投資信託をもうちょっと身近に感じてみよう」勉強会は、10/12だそうです。

【関連記事】
「投資信託をもうちょっと身近に感じてみよう」勉強会・第1回(三井住友アセットマネジメント・木村忠央さん)

「日本サステナブル投資白書2015」発刊記念シンポジウム(その1)

GPIFのESG投資と受託者責任



       
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