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「日本における社会的インパクト投資の現状2016」を読みました

日本における社会的インパクト投資推進のための有識者組織である、G8インパクト投資タスクフォースの国内諮問委員会(委員長:小宮山宏 三菱総研理事長)が、日本の社会的インパクト投資市場の現状をまとめたレポートを刊行しました。

実際の調査及び執筆は、ケイスリー株式会社の幸地正樹氏と、慶応大学大学院の落合千華氏が担当されました。




構成は次のとおりです。
機ー匆馘インパクト投資とは
供‘本における社会的インパクト投資市場
掘‘本における社会的インパクト投資の拡大に向けた取組み
検ー匆馘インパクト投資市場の展望と必要な取組み



◎社会的インパクト投資の定義

「社会的インパクト投資」は、広範な概念であり、厳密な統一的定義はありません。本レポートでは、GIIN(Global Impact Investing Network)の定義にならい、「財政的リターンと並行して社会的および(もしくは)環境インパクトを同時に生み出すことを意図する投資」としています。

この定義から、経済的リターンのない寄付や助成は除外されます。また、経済的リターンだけではなく、「社会的なインパクトを生み出す意図」を投資家が持って行う、という点がポイントです。

リーマンショック以降、社会的課題の解決を図りながらリターンも得る投資手法として、海外では社会的インパクト投資が急速に成長しています。最も盛んなのはイギリス、次いでアメリカです。

日本は、少子高齢化や自然災害への対応など、欧米諸国よりもある面では課題先進国なので、社会的インパクト投資に対する潜在的なニーズは大きいです。最近では、NHKで社会的インパクト投資が取り上げられるなど注目度は少しずつ高まっています。

【関連記事】
NHK「サキどり↑」でインパクト投資の特集


◎日本における社会的インパクト市場

「社会的インパクト投資」がどんなものかイメージするには、具体例を知る方が早道です。レポートでは、国内の約20件のスキームや商品を挙げて、市場規模を推計しています。

独断でざっくりグルーピングしてみました。
・融資系
 日本政策金融公庫、ろうきん、民間金融機関のNPO向け・ソーシャルビジネス向け融資 など

・出資系
 三菱商事復興支援財団、ベネッセソーシャルインベストメントファシリティ、日本ベンチャー・フィランソロピー基金(JVPF)、SVP東京、一般社団法人KIBOW、ARUN合同会社 など

・公募投信
 鎌倉投信(結い2101)(※)、大和マイクロファイナンスファンド など

・その他
 ミュージックセキュリティーズ(セキュリテ)、NPOバンク、市民エネルギーファンド、オイコクレジット など

政府系金融機関から、NPOバンクなど比較的小規模なものまで混在しているほか、資金提供手法、地域なども多様で、ひとくくりにはしにくいです。

レポートによれば、これらを全て合算した社会的インパクト投資の市場規模は、2014年は約170億円、2016年は337億円と倍増していて、それなりのサイズ感があります。

※本レポートは上場株式への投資は社会的インパクト投資から除いています。鎌倉投信は非上場企業への債券投資部分のみを集計。

※上記以外にも該当するものは十分あり得ます。例えば、自分も少し投資しているソーシャルレンディングのクラウドクレジット(匿名組合出資)も、考えよう次第で含まれると思います。

【関連記事】
クラウドクレジットのカメルーン中小企業支援プロジェクトに投資


◎社会的インパクト投資の拡大に向けて

2015年5月に同タスクフォースが公表した、「社会的インパクト投資の拡大に向けた提言書」にて掲げた7つの施策について、進捗状況と展望が書かれています。

【関連記事】
「社会的インパクト投資の拡大に向けた提言書」を読みました

「休眠預金の活用」、「社会的企業の法人制度や認証制度」、「社会的インパクト評価」は一部検討が進んでいます。「SIB」(ソーシャルインパクトボンド)はすでにパイロット事業が開始済です。
一方、「社会的投資減税制度」、「受託者責任の明確化」、「個人投資家層の充実」の3項目は具体的には未着手です。

受託者責任のない個人は、純粋な経済的リターンのみによらず、共感や応援、社会貢献意識やつながりに基づく動機でお金を出せる立場にあります。個人にも一定の需要はあると思うので、個人投資家でも少額からお金を出せるスキームや商品が増えるといいと思います。

社会的インパクト投資の位置づけについて、レポート中の図を転載します。
一般的には、一番左のみか左から2番目までを「投資」に含めると思います。自分の投資スタンスも、当初は一番左だけでしたが、徐々に右側に広がってきました。ブログでは寄付についても書いていますが、寄付の社会的なリターンも、広い意味では投資のリターンと考えています。


(p74より転載)


日本の社会的インパクト投資について、とりあえずこれを見れば全体が分かる貴重なレポートです。ケーススタディや具体的な数字も載っていて参考になります。まだまだ遅れている、と言われる日本でも結構進んでいるなという印象を持ちました。

下記から無料のPDF版をダウンロードできます。
日本の社会的インパクト投資の現状をまとめたレポート公開

有料の製本版はこちらです。
日本における社会的インパクト投資の現状2016
G8インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会 日本財団 ソーシャルイノベーション本部 社会的投資推進室 公益財団法人 日本財団 売り上げランキング: 264,278


11/6には、本報告書を「読む会」が開かれます。自分も参加予定です。
「日本における社会的インパクト投資2016」を読む会


【関連記事】
ESG投資か、責任投資か?<高崎経済大学 水口剛さん・日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)セミナー>
ソーシャル・ファイナンス研究会・第2回(日本公共政策研究機構)(その1)
ソーシャルインパクトボンド(SIB)のセミナーに参加しました(その1)


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